《輝く経験者を紹介》【vol.6: 前田智子さん】〜 留学経験を活かしモデルという表現 〜
◆ コラム”輝く経験者を紹介”について
帰国子女や海外経験を持った他の人が、どんな働き方をして、どんな生活をしているかインタビューを通してご紹介する、「輝く経験者を紹介/インタビュー」。
輝いて生活しているBeyond Borderのメンバーが、自身のお仕事について、転職・キャリアアップに対する考え方について、普段の生活をどうエンジョイしているかの秘訣を、本サイトにだけにこっそり教えてくれます
帰国子女あるある、海外留学・赴任経験者の共通の人生の楽しみ方、仕事の取り組み方、ワーク・ライフ・バランスの取り方など、楽しんで読んでください。
第六回目は、モデルやMC、リポーターなど、様々な分野で活躍する前田智子さんにお話を伺いました。日本の高校を卒業後、ニューヨークの大学で学び、ダンサーとして培った表現力を軸に多岐にわたる活動を行っています。2011年にはミス・アース・ジャパン(日本代表)に選ばれ、環境保全活動や慈善事業にも取り組んでいる前田さん。では、アメリカ留学時代のどのような経験が、今の彼女に生きているのでしょうか。
◆ とにかくダンスを極めたくて、日本を飛び出した
幼い頃からジャズダンスを学んでいた前田さんは、高校3年生のとき、「ダンスで生きていく」と考えます。
しかし両親の反対を受け、ダンスを学べる大学を探すことに。
日本の大学でダンス学部のあるところを候補にしましたが、どうも雰囲気が合わないと感じ、いっそ本場で学んでやろうとアメリカ留学を決意します。
ここでも両親に反対された前田さんは、必死で英語を勉強し、TOEFLのスコアをアメリカの大学に出願できるレベルにまで上げたのです。
その執念にとうとう両親が折れ、ニューヨークの州立大学に入学することになりました。
入学前の語学研修には行けず、それでもダンス学部に入るためにダンスのオーディションを受けなければならず、前田さんは、まだ英語のコミュニケーションに自信がない段階でアメリカ世界に飛び込んでいかなければなりませんでした。
英語に自信がなくても、とにかくやりたいことが待っているのなら。そんな強い意志と共に、前田さんの留学生活が幕を開けたのです。
◆ とにかく英語を話すこと、それがコミュニケーション
始めに入学した大学は、とても辺鄙なところにありました。
あるのは郵便局とカフェと本屋だけ。
楽しむものは何もなく、しかも前田さんはまだ自分の英語に自信を持てずにいました。
学校での学びもダンスには関係のない教養的なものばかりで、気持ちは塞ぎ気味だったといいます。
いつまでもここにいてはダメだと思った前田さんは他大学への転入を決意し、2学期目は学校の勉強そっちのけで、あちこちの大学にダンスのオーディションを受けに行く生活を送りました。
その頃からだんだんと英語を話すことに対する理解が変わっていきます。
それまでは、キレイな英語を話すことが正解だと思っていたけれど、とにかく伝わることが大事なのだと気付いたのです。
片言でもいいから、間違っていてもいいから、自分の思いを相手に伝えること。
これこそがコミュニケーションであり、更に上達への近道でもあったと気付いたのです。
前田さんはそれ以来、徐々に英語を話せるようになっていきました。
そしてやっと心機一転、新しい大学で、ずっと学びたかったダンスの勉強がスタートします。
◆ ダンス漬けだった留学生活
朝から晩までダンス、ダンス、ダンスの日々。
夜は宿題もやって、翌朝はまた早く学校に行って、ダンス、ダンス、ダンス!
英語についてもダンスについてもどんどん表現力がついてくるのを実感するようになりました。
ただ伝えるだけのコミュニケーションではなく、自分が伝えたいことをコンセプトとして相手にちゃんと表現すること。英語も、ダンスの作品も、どんどんレベルを上げていきました。
前田さんの上達は多くの人に認められ、学校の代表として自身が振り付けたダンスの作品を発表することもあったといいます。
大学を卒業後、両親にもその頑張りを認められた前田さんは、さらに1年間、ニューヨークで働きながらダンスのショーに出たりして過ごしましたが、日本に戻り自分の土俵で自分のダンスを作ることを目標に帰国。
英語やダンスの勉強に忙殺される日々に苦労したこともあったけれど、恋をしたり、ちょっと冒険したり、盛りだくさんの留学生活が幕を閉じました。
◆ 表現者としての自分の誕生
前田さんは帰国後、ニューヨークにいた頃は考えられなかったような数々の挑戦をしました。
ダンスは表現するうえでの一つの媒体で、表現の仕方は他にもある。
そう考えるようになった前田さんは、ダンサーとして培ったものを武器に表現者としての人生を歩み出したのです。
まずはモデルの勉強をして、見られる存在としてのウォーキングやポージングなどを勉強します。
そしてミスコンテストに出場し、見事にグランプリを獲得しました。
モデルとしてどのように見られるか、どのように写真に撮られるかということも、立派な表現の一つだったのです。
モデル経験で学んだことを今度はトレーナーというキャリアの中で役立て、見られる身体を作ることを日々研究し、ハイヒールを履いて美しく歩けない日本人女性を少しでも減らそうと、インストラクターとしてレクチャーしています。
表現することが好きで、そのための方法が色々試せるほど楽しい。
一つの肩書に縛られない自分であること、様々な媒体を通して自分を表現することに貪欲な前田さんは、そう語ります。
ダンサーの自分、モデルの自分、トレーナーの自分、全ての面が合わさって一人の私なのである。
だから、それを一つに絞ってこれが私だと説明することはできない。それが前田さんの言うアイデンティティであり、自己表現なのです。
◆ どういう自分でありたいのか、自分で道を切り拓く
日本では90%以上の人が同じような髪の色、同じような肌の色をしています。
けれどアメリカでは違いました。
みんながみんな、そこにいるだけでバラバラの個性を持っていました。
わざわざ自分をユニークに見せようとしなくても、自分であるというだけで、それは唯一無二の存在でした。
前田さんが留学中に気付いたとても大切なことです。
みんな同じに見えるから必死で個性を出そうと自分を差異化しようとする、そんな日本では気付くことができない大切なこと。
自分が自分でいるだけで、個性的であるということ。だからもっと自由に生きていいのです。
個性的でいなければと雁字搦めである必要はありません。
ただそのためには、自分の道に責任を持った選択をしなければなりません。
自分の人生という、誰も歩いたことのない道を切り拓くために、誰のせいにもできない、自分にしかできない決定をしていくこと。
自己責任で自分の行動を決めながら、自分の自由を守りながら、一つの個性として自己表現をしていくこと。
前田さんはアメリカでの留学経験によって、アイデンティティの根本的な部分を問い直したのです。
ご自身がダンスに励んでこられ、多文化社会であるアメリカでは自分をプレゼンテーションしないといけない点がダンスに通ずる部分であるとのお話が印象的でした。また、夢は自分を最大限に使うことであるとのことでしたが、NYで経験されたこと全てを今の様々な方面でのお仕事に活かされているなとお見受けしました。私自身、インタビューを終えてすっかり魅力あふれる前田さんのファンになってしまいました。更なるご活躍をお祈りしています。読者の皆様:前田さんへのメッセージ、ご意見、ご感想お待ちしております。
メッセージ、ご意見はこちら info@beyondborder.jp
2011ミス・アース日本代表 前田智子さん
ウェブサイト・Official Facebook・Official Blog
■モデル・MC・リポーター
NHK World “great gear” リポーター
J-WAVE “ZAPPA” 日曜日 ナビゲーター
PINX.MANAGEMENT
ダンサーとして活動する中で、舞台では表現しきれない細かな表現を可能にする写真や映像という媒体にひかれ、モデルを始める。
現在はPINX.MANAGEMENTに所属し、持ち前の語彙と英語力を活かし、モデル・MC・リポーターとして活動。
■ボディラインスタイリスト ピラティス&ウォーキングインストラクター
t-made body works
■2011 Miss Earth Japan 環境保全活動家
ナショナルコスチューム部門で世界一位。総合トップ16位入り。
■ダンサー・振付師
2010年6月:Judson Memorial Church “There is No Conclusion”出演(Pat Catterson振付け)。
2009年10月:Reverb Festival @ New YorkにHow R U? 出品
2010年6月:Young Choreographer’s Festival @ New Yorkに1 or A? 出品。
現在も日本で活動中
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