《セミナーレビュー》Vol.10 中国人の価値観を徹底理解
セミナーレビュー
こんにちは! Beyond Borderです。
5年間で日本と中国あわせて400社と商談を行い、経済界とも関わりの深い、日中関係のエキスパートである「台北市コンピューター協会 駐日事務所代表」の吉村 章氏より、中国人のビジネスマインド(ビジネスマインドはどの国、地域においても、それぞれの文化・歴史・普段の生活でのマインドが密接に結びついていますが)について、とても興味深い勉強会を開催頂きました。
上下関係や年功を重んじる同じアジアでも、ビジネスルールは全然ちがう
中国での宴会席の上座や下座、またその他の人たちが座る場所の決まりごとをご存知でしょうか?
上下関係や年功を重んじる同じアジアの日本と中国でも、この決まりごとは全然違います。
上座に座る人は誰でしょう?日本では来賓で最も重要な人ですよね。中国ではホスト(お金を払う人)が上座に座ります。
それでは来賓で最も重要な人はどこに座るでしょうか?答えはホスト(上座)の右手に座ります。次に重要な来賓の人はホストの左手に座ります。
中国人の離職率の高い理由は、ビジネスでも『個人主義』?
中国語で「外人」とは、どんな意味でしょうか?和訳をすると「知らない人」となるそうです。
逆に知っている人を「熟人」と記すそうです。
中国ではビジネスの場でも「会社」対「会社」という考えよりも、「個人」対「個人」を尊重するようです。
ある意味で欧米的な発想に近いと思いますが、中国人の離職率が高い理由はその点にあるようです。
また「熟人」でないと、新規ビジネスの可能性はまず生まれないそうです。
賄賂の文化はこの事が起因しているのかもしれません。
5000年の歴史の中で作られた「自分の身は自分で守る」という価値観
中国人には『たまご型コミュニティー』思想と言われる物があるそうです。
自分を中心とした親族・同郷・ほんの数人の親友で形成される「自家人」と呼ばれる黄身の部分。
白身の部分は『自己人』と呼ばれますが、「同じ志を持つ仲間、絶対に自分を裏切らない強い絆で結ばれた仲間」が属します。
ですので『たまご型コミュニティー』に入れる人は「熟人」の中でも限られた人だそうです。
この思想は、中国5000年の歴史の中で幾度も君主が変わり社会が乱れた経験を通し、「自分の身は自分で守る。行政、会社、他人に期待はしない。」という価値観によるものだそうです。
吉村氏曰く、中国人とビジネスをしたければ、まずは「熟人」にならなければならない。
「外人」から「熟人」への壁は比較的薄いが、「熟人」から『自己人』(たまごの白身部分)への壁は卵の殻と同様に固く厚く、容易には突破出来無いとの事です。
「自己人」「自家人」ネットワークがビジネスチャンスを創出する。
中国人は裏切りやすいと言われる事もありますが、『自己人』までの関係になれば、決して裏切りことは無く、反対に、その『たまご』を守るためならば、外の人を裏切る事も厭わない為に、その様な印象を持たれやすいそうです。
個人が持つ『たまご』は1つではなく、同心情円上に複数の花びらの様に広がっている。
1つの『たまご』の「自家人」や「自己人」もそれぞれ複数の『たまご』を持っているので、中国でビジネスを成功させるには、自分の『たまご』の中に誰がいるか、または誰の『たまご』の中に自分がいるかがとても重要だということです。
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